総監修:
社会医療法人 寿会 富永病院 副院長 (脳神経内科部長・頭痛センター長)/ 富永クリニック 院長
竹島 多賀夫先生

vol.10 黄色信号頭痛

おさらい

群発頭痛とは

群発頭痛は、ある一定の期間、毎日のようにほぼ決まった時間に起こる「目の奥がえぐられるような」激しい痛みが特徴で、その起こり方が群発地震に似ているためにこのように呼ばれます。激しい痛みには三叉神経が関与し、目の充血など自律神経症状を伴う「三叉神経・自律神経性頭痛」の一つです。

群発頭痛の症状と特徴

  • 片側の目の奥やこめかみに出現する激しい痛み
  • 流涙、目の充血、鼻水・鼻づまり、発汗を伴う
  • 症状は15分~3時間続き、その後自然に治まる
  • 2週間~3ヵ月のあいだ、ほぼ毎日同じ時間に起こる
  • 20~40歳代の男性に多く見られる
  • 発作が起こっている期間にアルコールを飲むと、必ずと言っていいほど頭痛発作が起こる
  • 年に数回から数年に1回くらいの頻度で群発期が起こる
先生 先生からの一言

群発頭痛は片頭痛や緊張型頭痛と同じく命に関わらない一次性頭痛(慢性頭痛)に分類されますが、その痛みは非常に激しいものです。
治療はいずれも医師の診察が必要です。頭痛に詳しい専門の医療機関を受診しましょう。

危険な頭痛(二次性頭痛)

頭痛は、命に関わらない頭痛(一次性頭痛、慢性頭痛)と、命に関わることもある危険な頭痛(二次性頭痛)に分類されます。二次性頭痛には、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などがあります。次のような頭痛があればすぐに医療機関の受診が必要です。

  • 前触れもなく突然起こる頭痛
  • 今までに経験したことがないタイプの頭痛
  • 頻度と程度が増していく頭痛
  • 50歳以降に初めて起こる頭痛
  • 癌などの病気を持っている方の頭痛
  • 後頭部をケガした後の頭痛
  • 痺れ・麻痺などの神経症状を伴う頭痛
  • 精神状態の変調を伴う頭痛
  • 発熱・嘔吐などを伴う頭痛
先生 先生からの一言

一次性頭痛(慢性頭痛)を持っている人の場合、二次性頭痛が発生しても「いつもの頭痛だ」と考えて放置してしまうケースがあります。いつもと違う痛みを感じたらすぐに病院を受診しましょう。