片頭痛
片頭痛を引き起こすメカニズム
頭部の血管が拡張し、炎症を起こして痛みが発生するのが片頭痛ですが、その発生の原因には幾つかの説があります。ここでは一般的によく知られている三叉神経血管説をご紹介します。
三叉神経血管説
脳神経の中で最も大きい三叉神経(主に顔面や頭部の感覚をつかさどる)が関与しているという説です。
何らかの刺激によって三叉神経が刺激されることにより、三叉神経の先端から血管に作用する様々な神経伝達物質が分泌されます。それらの働きで血管が拡張したり、炎症が発生して神経を刺激し、痛みが起こるというものです。
このほかにも血管説やセロトニン説、皮質拡延性抑制(ひしつかくえんせいよくせい)説などがあり、検討、研究されています。
片頭痛の症状
片頭痛は、頭の片側または両側が脈打つようにズキンズキンと痛む病気です。月に1~2度や、週に1~2度の頻度で発作的に起こるのが特徴で、いったん痛み出すと寝込んでしまう、仕事が手につかないなど、多くの方が日常生活に支障をきたします。
吐き気や嘔吐を伴うことが多く、また普段はなんでもないような光や音に対して過敏になる、といった随伴症状がみられることもあります。しかし、痛みがおさまると健康な人と全く同じように生活や行動ができますし、片頭痛自体が命にかかわることはありません。
ストレスのある状態が続いたあと、一段落してホッとしたとき(休日など)にも頭痛が起こります。頭痛は数時間程度のこともあれば、3日間くらい続くこともあります。
片頭痛の前兆
片頭痛は、痛みの起こる直前に「前兆」を伴うタイプと、伴わないタイプに分類できます。
最も多い前兆は「閃輝暗点(せんきあんてん)」とよばれる症状で、
- 目の前で光がチカチカする
- 視野の一部に歯車のようなギザギザしたものが現れる
- 視界が欠ける
などがあります。
一般に5~60分程度続き、それが終わって60分以内に激しい痛みに襲われます。
それ以外の前兆としては、手足がしびれる、しゃべりにくくなる、といった症状などもみられます。もっとも、前兆を伴わない片頭痛のほうが多く、同じ人でも前兆がいつも現れるわけではありません。
片頭痛の予兆
前兆を伴わない片頭痛でも、「なんとなく頭痛がきそうだ」という漠然とした予感を感じることがあります。
具体的には、
- だるい
- 気分がよくない
- イライラする
- 食欲が通常以上に出る
- 体がむくむ
- 甘いものを無性に食べたくなる
- 眠気を感じる
といった状態になり、そのあとに頭痛が起こるケースです。
こうした漠然とした症状については「予兆」とよんで、前兆とは区別しています。
片頭痛との見極めが難しい頭痛の症状が現れる疾患もあります。詳しくはこちらをご覧ください。